BibCompanion
※目次
BibCompanionはBibTeXデータベース形式に準拠した参考文献管理ソフトです。データベースエディタとしての機能はもちろん、簡便で軽快な操作の 絞り込み検索機能 や スマートライブラリ/手動ライブラリ機能 が充実しており、所望の文献に素早くアクセス可能です。また、 PDF等の関連ファイル(複数可)を各文献にリンク することもできるので、論文を書くときのみならず日々の研究活動で文献を活用するときにも最適です。
本ソフト起動時の画面サンプルを以下に示します。
- データベース編集機能
- フィールド文字数無制限
- 各フィールドに入力可能な文字数はコンピュータのメモリの許す限り可能で、事実上無制限。
- スマートペースト機能
- WebやPDFファイルから著者名やタイトルの情報をコピーペーストする際に、たとえば著者名の区切りであるコンマを「and」に置換したり、タイトルに含まれる化学式などをTeX表記に変換したりする機能。主に自分の専門の物性関係に特化した機能なので、他分野でどの程度使えるかは不明(Physical Review B, Surface Science, JJAP等のwebページからのペーストはかなり高い確度で変換できる)。
- TeXコマンド入力サポート
- アクセント付き文字やギリシャ文字、数学記号など覚えるのが面倒なTeXコマンドをボタン一つで入力できる。このうち数学記号はカスタマイズ可能。
- 複数可能な添付ファイル機能
- 各文献にPDFファイルなど任意のファイルを添付可能。フォルダーを添付することでフォルダー内の複数の項目を添付することもできる。
- 添付ファイルの自動整理
- LinkボタンにDrag&Dropでファイルを添付した場合、当該ファイルをあらかじめ指定したフォルダーへコピー(or 移動 or エイリアス作成)し、ファイル名も文献キーから自動生成する機能。データベース間で文献をコピー&ペーストした場合にも機能する。
- URL/e-mail添付
- ファイルとは別にURLやe-mailアドレスも記録でき、メール作成、URLへのジャンプなども容易に行える。
- カスタマイズ可能な文献キー自動生成
- 入力された書誌情報から自動的に文献キーを生成する機能。生成ルールもカスタマイズ可能。
- 独立したannoteフィールド
- 簡単なキーワードだけではなく、必要に応じて相当量の文字情報を記録できるようにannoteフィールドだけ独立。
- BibTeXフィールドの直接編集
- BibTeX形式のフィールドを直接編集できる。通常では入力できないフィールドを編集するなど高度な制御が可能。
- マクロ、プリアンブル編集
- BibTeXデータベース内のマクロやプリアンブルを編集可能。これらはデータベース間でインポートすることもできる。また、マクロはメニューから選択してフィールドへ入力可能。
- カスタマイズ可能な文献形式
- 標準のBibTeX文献形式以外の形式もユーザ指定でき、編集すべきフィールドやその配置など全てをカスタマイズすることができる。もちろん標準の形式についてもカスタマイズ可能。なお、未定義の文献形式であっても標準的なフィールド(author/title/year等)は表示される。またRAWフィールド編集を使えば未定義フィールドでも編集可能。
- MacOS Xがサポートする全てのテキストエンコーディングをサポート
- 現時点でサポートしているのは2種類のunicodeや6種類の日本語エンコーディングを含む86種類。
- データベース管理機能
- 複数データベースの一括管理
- 複数のデータベースを一つのウィンドウに集約し、複数データベースにまたがる検索やデータベース間の文献の移動などを容易にした。
- リアルタイム検索機能
- 著者とフィールド内データそれぞれで簡易の検索を行う機能。文字を入力するとリアルタイムにその文字を含む著者あるいは文献が絞り込まれて表示される。フィールド内データに関しては検索フィールドの指定も可能。下記のライブラリ機能と合わせ、目的の文献を素早く絞り込める。
- スマートライブラリ
- 検索条件指定を行うライブラリで、現在開いているデータベースから自動的に条件に合う文献をライブラリに蓄積する。最大で16の検索条件を指定可能(ANDあるいはOR条件)。フィールド内文字列による検索の他、文献データの更新日や添付ファイルの存在の有無などでも検索可能。Annoteのフィールドに適切なキーワードを入力しておくことで、効率的に文献の分類が可能。特定のデータベースのみからの検索も可能で、書誌情報の変更にリアルタイムで対応する。
- 手動ライブラリ
- ユーザが自由に内容を入れ替えられるライブラリ。たとえば、注目の文献や未読文献、執筆中の論文の参考文献などを入れておくことができる。手動ライブラリ内の文献はデータベースへリンクされており、複数データベースにまたがる文献リストを保有することも可能。データベースを開いていないときも内容を表示できるが、この場合はリンク元が無いために文献内容の編集は不可。
- ライブラリグループ
- ライブラリを階層化して管理できる。グループ内にはスマートライブラリと手動ライブラリの混在が可能。特定のテーマに関して、スマートライブラリで自動的に収集した文献リストとその中からピックアップした文献を納めた手動ライブラリとをまとめて管理できる。ライブラリグループ自体を選択するとグループ内の全ての文献リストが得られるため、条件の異なるスマートライブラリをグループ化し、それらのOR条件によるリストを得ることも可能。
- 添付ファイルの表示
- ファイルビューアを開くと添付されているファイルを表示できる(但し、PDFファイルおよび画像ファイルのみ)。表示画像をダブルクリックするとファイルを標準アプリケーションで開くこともできる。ページの移動はビューア上部のナビゲータの他、スクロールホイールマウスを使用すればホイールを回すことで可能。
- 文献一覧のカスタマイズ
- 文献リストの表示項目、表示順、表示幅などほとんどがカスタマイズ可能。標準外の文献形式にも対応できる。
- 他のアプリケーションとの連携
- 文献キーのDrag&Drop
- 文献リストから選択した項目を編集中のLaTeX原稿にDrag&Dropすると、文献キーを入力できる(キーのみかciteコマンド込みか等のコピー形式は選択可能)。また、文献リストを右クリックすると現れるメニューでは形式を指定したコピーも可能。
- 文献リストのCopy&Paste
- 選択した文献のリストをLaTeXのbibitem形式、HTML形式、テキスト形式でコピー可能。bibitem形式は{thebibliography}環境へ直接貼ることができる。HTML形式でコピーしたものはHTMLソースへ貼ればリストを簡単にweb公開することができる。TeXコマンド→HTML書式などの必要な変換は自動で行われる。また、テキストコピーは書式(RTF)も保持しており、RTFを認識できるワープロへ書式付きでリストを貼り付けることも可能(Word 2004, Pages, JEdit Xでは問題なく機能するが、EGWord14では上付・下付が無視される)。テキストコピーは文字をunicodeで扱うので、unicodeに対応しないソフトへペーストした場合はアクセント付き文字や日本語等が文字化けする可能性が高い。なお、文献リストの出力形式はユーザカスタマイズ可能。
- FinderからbibファイルのDrag&Drop
- 通常のオープンコマンド、bibファイルダブルクリックに加え、Finderからbibファイルをデータベースリストに直接Drag&Dropして開くことができる。
- 文献データベースの共有
- データベースの書き込み権限設定
- 簡易の共有補助機能として、特定マシンの特定ユーザのみが書き込み可能なデータベースを作成できる。ファイル共有自体はOS標準の通常のファイル共有機能を使用する。本機能はBibCompanionによる書き込みを禁止するためだけのものであり、他のエディタから直接編集することを妨げるものではない。あくまでも誤操作を防ぐためだけの機能であるので、データベース共有に当たっては利用者への使用方法の徹底が必要である。
- ソフトウェア条件
- Mac OS X 10.4 (Tiger) 以降のOS。10.3 (Panther) 以前では正常動作しません。Pantherで使いたい場合には、旧バージョン 1.0.1 を入手してください。
- ハードウェア条件
- 上記OSで動作する IBM PowerPC 或いは Intel CPU を搭載したMac。
ユニバーサルバイナリですので、PowerPC MacでもIntel Macでも最適に動作します。
当方では、PowerBook G4/MacOS X 10.4.9で動作確認をしています。
BibCompanionには日本語と英語のリソースが含まれており、システム環境設定の言語環境によって表示する言語が切り替わります。英語のページからダウンロードするものと、ここからダウンロードするものは同一です。
ダウンロードしたアーカイブ(zipファイル)を展開すると、アプリケーションの他に <README 1st-Japanese.html> というファイルが入っています。
使用前に必ずこのファイルを読み、注意事項に同意した上でお使いください。
- 1.2.2
-
- バージョン1.2.1でデータベースを編集すると、データベースIDが変わってしまう(この結果、特定のデータベースのみを検索するスマートライブラリ機能が正常動作しなくなる)バグを修正。
- バージョン1.2.1でマクロ編集すると、以後マクロ展開が正しくできなくなってしまうバグを修正。
- その他、細かな表現上の修正等。
- 1.2.1
-
- フィールド名が大文字になっていても正しく読み込めるようにした (全て小文字に変換します)。
- 1.2
-
- ライブラリやライブラリグループをデータベースとして書き出す機能を追加。
- ライブラリやグループ選択時にも新規文献追加できるようにした (複数のデータベースを開いている時は、追加対象データベースの選択肢が出ます)。
- データベースの別名保存時に、添付ファイルの扱いやエンコード、改行コードを指定できるようにした。
- リストの表示文字サイズを指定できるようにした (12〜20ポイント)。
- 詳細情報の文字サイズ指定方法をポイントサイズに変更した (10〜16ポイント)。
- 注釈やRAW編集フィールドの文字サイズも詳細情報と連動するようにした。
- 修正したはずのマクロ展開時に結合子 (#) が表示されてしまうバグが修正できていなかったバグを修正。
- 1.1.1
-
- データベースの別名保存ができないバグを修正。
- 特権がないデータベースで添付ファイル付き文献を削除した時、添付ファイルを実際に削除してしまうバグを修正。
- 「全データベース」やライブラリグループを選択している時に文献削除しようとすると、警告のみで実際には削除されないバグを修正。
- 1.1
-
- ユニバーサルバイナリ化し、Intel Macでの動作速度が飛躍的に改善した。
- ユニバーサルバイナリ化に伴って、MacOS X 10.3 (Panther) が動作対象外となった。
- ファイル表示パネルへファイルをドラッグ&ドロップして添付ファイルが追加できるようにした。
- 文献リストコピー時に、指定数より多い著者は et al. で省略できるようにした。
- 文献リストコピー時の著者のフォーマットを[姓, 名]、[名 姓]、[姓のみ]、[第一著者のみ 姓, 名] から選択できるようにした。
- 文献リストコピー時の著者の区切り記号を指定できるようにした。
- HTML/RTF形式で文献リストコピー時に[行頭記号なし]、[箇条書きリスト]、[連番リスト]、[文献キーリスト] から選択できるようにした。
- 著者フィールドへのスマートペースト時にセクションマーク (§) を取り除くようにした。
- PDFファイルからスマートペーストした時のアクセント付き文字の取り扱いを改善した。
- セミコロンで区切った名前のリストを正しくペーストできるようにした。
- マクロ定義中にマクロを使用した時に結合子 (#) が表示されてしまうバグを修正。
- データベースに空欄のフィールド定義が入っていた時にエラーが出ないように修正 (空欄フィールドは無視)。
- 文献形式を空文字列にすることができるバグを修正。
- その他、細かな表現上の修正
- 1.0.1
-
- 既に添付ファイルがある文献にファイルを添付しようとしたとき、追加と入れ替えを選択できるようにした。
- HTMLコピーの形式を XHTML 1.1 に準拠するように変更し、インデックスを箇条書き要素 (ol/ul) を用いて出力するようにした。これに伴って、RTFコピーの書式も若干変更された。
- ヘルプの構成を変更し、画面が小さな場合でもブラウズしやすくした。
- 1.0
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- 起動時にまれにBibCompanionが落ちる(当方では複数のデータベースがあるときに限り発生)。
→ データベースが壊れることはまずないので、再度アプリケーションを起動してください。現在原因が明確でなく対応策は見つかっていません。
- 重複文献を検索するスマートライブラリを手動更新しているとき、検索対象の文献内容を編集した後に当該文献を削除したりデータベースを閉じたりすると、重複していない(重複しなくなった)文献がリストに残ることがある。
→ [ファイル - スマートライブラリの更新]メニューでライブラリを更新すれば正しい情報になります。基本的に、手動更新するスマートライブラリの内容は更新直後しか正しいことは保証できません。
バグ報告やご要望などは
中原仁: nakahara@nagoya-u.jp (スパム防止のため@が全角になっています)
までお送りください。データベースに依存したバグの場合には極力データベースファイルを添付していただくようお願いします。