RHEED Convert について

※ 目次


※ 概要説明

 これは RHEED (反射高速電子回折) パターンを、逆格子ロッドを表面直上から見た配置に変換するプログラムです。電子回折に関しての参考書としては「やさしい 電子回折と初等結晶学 - 電子回折図形の指数付け」[共立出版, 田中・寺内・津田 著]、RHEED に関しては「表面・界面の物理」[丸善, 曽根 編 (シリーズ 物性物理の新展開)] などを御覧ください。

※ 動作環境

 このソフトは で動作します。Fat Binary ですので、68K Macintosh と Power Macintosh のいずれでも最適に動作します。開発は 9500/200 と 7600/200 (共に Mac OS 8J) で行っており、7100/120 (Mac OS 7.5.3J) での動作確認はしていますが、68K Macintosh での動作は確認しておりません。また、System 7.1 でも動作する可能性はありますが、確認はしていません。

 実行結果の例は こちら を御覧ください (24KB)。

※ ダウンロード

※ 使用方法

  1. 起動すると、変換対象のRHEEDパターンの PICT ファイルを要求するダイアログが出ます。画像フォーマットは PICT のみの対応です。また、変換結果の画像は強制的に256グレイに変換されます。
  2. ファイルを指定すると、上下に別れたウィンドウが現れ、上の領域に元のRHEEDパターンが表示されます。この中にある2つの丸と一本の線がそれぞれ鏡面反射スポット(緑丸)、ダイレクトスポット(赤丸)、シャドゥエッジ(青線)を表します。これらの3つのマーカがRHEEDパターンに一致するようにマウスでドラッグしてください。なお、シャドゥエッジは2つのスポットの垂直二等分線の関係を常に保ちますので、一つを動かすと他のマーカもこの条件をみたすように自動的に調整されます。
  3. マーカの位置調整ができたら、上のカメラ長あるいは電子線の視斜角のフィールドを入力して下さい。カメラ長の単位はピクセル、視斜角の単位は°です。先に指定した2つのスポット間の距離 D は常に tan θ = D/2L (θ:視斜角, L: カメラ長) の関係にあるので、一方を入力すると他方は自動的に計算されます。まずは視斜角の分かっている写真を使ってカメラ長を求めておくと便利でしょう。なお、次回起動時には最後に使用したカメラ長が自動的に採用されます。
  4. マーカと価を指定したら <Convert> ボタンを押して下さい。変換を開始します。変換はバックグラウンドで行なえますので、複数の画像を同時に変換したり、変換中に他の作業を行うことも可能です。変換を途中でとめるには <Stop> ボタン (Convertの表示が変わる) を押して下さい。
  5. 変換が終わるとウィンドウの下の部分に変換結果の図が表示されます。変換結果は保存メニューで PICT として保存することが可能です。また、Drag&Drop で、他のアプリケーションに直接張り付けることも可能です(システムに Macintosh Drag&Dropがインストールされている必要があります)。
  6. 変換ができていると、上の画像の部分を control キーを押しながらクリックすることで、その位置に対応する部分を下の画像でハイライト表示させることが可能です。また、プログレスバー横のステータス表示欄に、そのときの逆格子位置を 00 スポットを原点とする座標で表示します。
 最初にファイルを開かずにキャンセルしておき、新規書類を開いておいてから、ウィンドウの上の部分に他のアプリケーションから画像を Drag&Drop することも可能です。

※ オプション設定

 File メニューの Options で、各種の設定が可能です。以下はオプション項目の簡単な説明です。

 なお、オプション設定のうちVertical Scale以外のものは、設定変更後に新たに開いた書類に対してのみ有効です。

※ その他の一般的注意

 このソフトはフリーウェアです。但し、著作権は中原仁が保有しています。個人的な利用以外で本ソフトウェアおよび付属の文書を無断で転載、改変、配布などを行うことはご遠慮下さい。
 本ソフトの計算の結果生じるあらゆる損害、あるいはソフトウェアの不具合によるソフト的ハード的損害に対し、作者は一切の補償をいたしません。使用の際はご自身の責任においてお使いください。
 このプログラムは RHEED について十分な知識がある方がご利用下さい。これらの知識が十分でない方は、まず各種の電子回折、表面物性の教科書をご覧下さい。意味も分からずこの手のソフトを使用することは極めて危険です。また、このソフトを用いた計算結果を実験レポートなどに使用することは禁止します。
 このプログラムのソースコードも同じWebページにて公開しています。これらのコードは個人的な利用の範囲内で改変使用して構いません。但し、改変したアプリケーション且つ或いはソースコードを無断で公開することはご遠慮下さい。また、ソースコードの内容に関する質問はお受けしかねます。なお、このソースコードをコンパイルするためには Metrowerks CodeWarrior Pro for Macintosh と PowerPlant が必要です。


作者への連絡先 nakahara@nuap.nagoya-u.ac.jp [中原 仁] (@が全角になっています)
名古屋大学 工学研究科量子工学専攻/工学部応用物理学科