柏谷聡研究室:研究紹介

研究概要

研究紹介動画 (物理工学セミナー(柏谷研):2020/11/20)

前半後半
 近年の身の周りの電子機器、半導体製品、磁石、太陽電池、超高強度材料などは物質中の電子の持つ力をいかんなく発揮させた結果実現してきました。物質材料科学や物性物理の分野ではその電子がどうしてその機能が発現しているか、どうしたらさらに性能を伸ばせるか、どうしたら常識では考えられないさらなる機能(新奇物性)引き出せるか、などが調べられてきました。通常、電子の機能は物質の種類、原子の並びで決まってきます。ところが、異種の物質の個性がぶつかり合う場である接合系(表面・界面)は、原子の並びが急に変わるため、バルク(物質の中身)では実現できない新奇物性の宝庫となりうることから、物質の新機能性を発現させる舞台となってきました。
本研究室では、表面・接合系におけるナノオーダー現象の観測を通して、表面・界面に特有な電子物性を解明し、その知見を基にした機能デバイスの開発研究を行います。
 具体的には、超伝導体、トポロジカル物質、原子層物質等のスペクトロスコピーによる物性解明、接合系の輸送特性解明、量子効果デバイス・高感度センサーへの応用研究を進めます。 研究のフェーズとしては主に3つの研究の進め方があります。①研究に使用する対象物質を一からつくり、これまでに見つかっていなかった高機能物質を探索する(単結晶化・物質開拓)。②単結晶を微細加工プロセスなどをもちいて表面・界面特性の調査をする(接合化)。③狙った特性を観測するために装置から自作して、計算シミュレーションも駆使してこれまで未発見だった現象を観測する(極限現象測定)。 このように物質から、接合、装置まで自身で改良を加えることで高品質・高性能な新物質・新現象を創成します。
Keywords: 単結晶育成、接合、超伝導、トポロジカル量子現象、高感度センシング、熱電発電、ジョセフソン接合

本研究室の研究の独自性
— 複合系物性:新奇な物性発現・機能実現を目指して —

より具体的に、本研究室でめざすもの

本研究室では複合系物性として、物質の表面・界面、複数の物質の接合系の性質の解明と、これらの性質を用いたデバイス応用の開拓を目指します。

1. 研究対象とする物質
・超伝導体(金属、銅酸化物、鉄系、Ru系、トポロジカル超伝導など)
・トポロジカル物質(トポロジカル絶縁体、ワイル半金属など)
・原子層物質(グラフェン、WTe2、MoS2など)
・ナノ物質(ナノチューブ、ナノ粒子)
2. 研究内容
・表面・界面の物性、電子状態研究
・表面・界面の構造、成長機構の研究
・接合系に現れる新物性・輸送特性
・機能化、センシング応用への研究
3. 進行中のテーマ
・接合系による超伝導物性(新奇なペア状態の探索、対称性の決定)
・トポロジカル量子物性(マヨラナ準粒子探索、トポロジカル数検出)
・高感度磁気センサー開発(新物質開拓、センシングデバイス開発)
・暗黒物質アクシオンの検出

主な実験装置

冷凍機、輸送特性測定装置、トンネル接合評価装置、薄膜作成装置、FIB加工装置、高分解能TEM 、環境RHEED装置など

He3 FIB TEM ERHEED
ヘリウム3冷凍機 FIB加工装置 高分解能TEM 環境RHEED装置

研究例

He3 FIB
トポロジカル絶縁体上に形成したジョセフソン接合 スピン3重項超伝導体Sr2RuO4のエッジジョセフソン接合
He3 He3 FIB
FIBによるNb系微小スクイッド 銅酸化物超伝導体のスピン偏極トンネル接合 Bi系銅酸化物超伝導体の固有ジョセフソン接合

大学院生募集中!

名古屋大に限らず、全国の大学どこからでも受験を歓迎しています。 以下のいずれかに該当すれば、本研究室での受け入れが可能です。

  1. 固体物理、超伝導、トポロジカル物理、ナノ物理に興味のある学生
  2. 成績はともかくやる気のある学生
  3. とにかく実験の好きな学生
  4. 実験も理論も両輪でやってみたい学生
    (田仲研究室(理論)との連携で、いずれも履修も可能)
  5. 博士課程までじっくり研究をやってみたい学生
  6. 一度就職したけど、やっぱり研究したい方
  7. 全く新しいことにチャレンジしたい学生
    (暗黒物質検出など、チャレンジングな研究も進めます)
  8. 世界トップレベルの研究を目指す学生
    (世界の研究機関への派遣プログラムあります)
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