文献リストをコピーする

文献リストから文献キーや文献のリストを他のテキストエディタやワープロなどにコピー&ペーストして書き出すことが可能です。 文献キーは文章中で文献を参照する位置に挿入するために用いられるもので、文献リストは参考文献リストを作成するときに用いるものです。 それぞれ3種類のフォーマットで書き出すことができます。 文献リストからドラッグ&ドロップやコピー&ペーストしたとき、どのフォーマットで書き出すかは環境設定の一般設定で変更可能です。

形式を指定してコピーするには、[編集 - 文献キーをコピー] や [編集 - 文献リストをコピー] メニューを使います。

日本語エディタを利用している場合の注意: 一部の日本語エディタはバックスラッシュ(‘\’)の扱いで問題を生じることがあります (LaTeXのエスケープ文字として円記号(‘¥’)が必須で、バックスラッシュは受け付けない)。 このような問題を回避するため、BibCompanionはコピー時にバックスラッシュを円記号に置換することができます。 環境設定の一般設定で該当するチェックボックスをONにしてください。

本節は以下のトピックで構成されています。

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文献キーをコピーする

文献キーは文献を識別する文字列で、文献を文章中から参照するときに用いるものです。 文献キーの書き出し形式には以下の3種類があります。

\cite{文献キー}

文献キーを文献参照に用いるLaTeXコマンド(\cite)と一緒に書き出します (例: “\cite{NakaharaH:2004}”)。 これはLaTeX文書を作成しているときに用います (\cite{} コマンドの詳細についてはLaTeXの参考文献を見てください)。 複数の文献を選択しているときはキーをコンマで区切って “\cite{NakaharaH:2004, TanakaA:2002}” のようになります。

この機能はドラッグ&ドロップやコピー&ペーストしたときのデフォルトの動作になっています。

\nocite{文献キー}

この機能は \nocite コマンドを用いることを除いて上記と同じ動作です。 \nocite{} コマンドの詳細についてはLaTeXの参考文献を見てください。

‘文献キー’ のみ

この場合は文献キーのみをコピーします (例: “NakaharaH:2004”)。 複数文献を選択しているときはコンマで区切って書き出します (例: “NakaharaH:2004, TanakaA:2002”)。

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文献リストをコピーする

文献リストは論文に添付する参考文献リストや、業績リスト等を作成するときに使用します。 リストの書式は文献形式毎に設定されており、そのフォーマットは環境設定の文献形式でカスタマイズ可能です。 以下の3種類の形式でコピーすることができます。

\bibitem リスト

これは選択した文献をLaTeXの \bibitem リストとしてコピーします。 例えば、

\bibitem{JoseYacamanM:1993} M. Jos{\'e}-Yacam{\'a}n, M. Miki-Yoshida, L. Rend{\'o}n and J.G. Santiesteban, APL {\bf 62} (1993) 202.

\bibitem{HurleDTJ:1994} Ed. by D.T.J. Hurle, {\it ``Thin Films and Epitaxy''}, (Elsevier, Amsterdam, 1994).

\bibitem{IchimiyaA:1991} A. Ichimiya, in: {\it ``The Structure of Surfaces, Vol.~III''}, Ed. by S.Y. Tong, M.A. van Hove, K. Takayanagi and X.D. Xie, (Springer-Verlag Berlin, Heidelberg, 1991) p.~162.

といったようなります。 このリストは通常は {thebibliography} 環境の中に入れることになります。 {thebibliography} 環境や \bibitem コマンドの詳細はLaTeX関連の書籍やwebを参照してください。

HTML テキストリスト

文献リストをHTMLテキストとしてコピーします。 このとき、環境設定の一般設定の「文献キーをインデックスにする」がチェックされていないときは、リストは番号付きリスト環境(<ol>)として出力されます。 以下はこの場合の出力例です。

<ol>

<li style="margin-bottom:0.8ex;">M. Jos&eacute;-Yacam&aacute;n, M. Miki-Yoshida, L. Rend&oacute;n and J.G. Santiesteban, APL <b>62</b> (1993) 202.</li>

<li style="margin-bottom:0.8ex;">Ed. by D.T.J. Hurle, <i>&ldquo;Thin Films and Epitaxy&rdquo;</i>, (Elsevier, Amsterdam, 1994).</li>

<li style="margin-bottom:0.8ex;">A. Ichimiya, in: <i>&ldquo;The Structure of Surfaces, Vol. III&rdquo;</i>, Ed. by S.Y. Tong, M.A. van Hove, K. Takayanagi and X.D. Xie, (Springer-Verlag Berlin, Heidelberg, 1991) p. 162.</li>

</ol>

一方、環境設定の一般設定の「文献キーをインデックスにする」がチェックされていると、文献キーをインデックスとして以下のように出力されます。

<ul style="list-style-type:none;">

<li style="margin-bottom:0.8ex;text-indent:-2em;"><b>[JoseYacamanM:1993]</b> M. Jos&eacute;-Yacam&aacute;n, M. Miki-Yoshida, L. Rend&oacute;n and J.G. Santiesteban, APL <b>62</b> (1993) 202.</li>

<li style="margin-bottom:0.8ex;text-indent:-2em;"><b>[HurleDTJ:1994]</b> Ed. by D.T.J. Hurle, <i>&ldquo;Thin Films and Epitaxy&rdquo;</i>, (Elsevier, Amsterdam, 1994).</li>

<li style="margin-bottom:0.8ex;text-indent:-2em;"><b>[IchimiyaA:1991]</b> A. Ichimiya, in: <i>&ldquo;The Structure of Surfaces, Vol. III&rdquo;</i>, Ed. by S.Y. Tong, M.A. van Hove, K. Takayanagi and X.D. Xie, (Springer-Verlag Berlin, Heidelberg, 1991) p. 162.</li>

</ul>

出力はXHTML 1.1に準拠した形式となっています (フォーマットが若干ずれるかもしれませんが、通常のHTMLとしてもそのまま使えるはずです)。 但し、HTMLヘッダなどは含まれませんので、適宜追加する必要があります。 例えば、XHTML 1.1の場合は、

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>

<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.1//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml11/DTD/xhtml11.dtd">

<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">

<head><title>タイトル</title></head>

<body>

<h1>タイトル</h1>

–––––> ここに上記のリストをペースト

</body>

</html>

といった形式にして、UTF-8のエンコード(上記の1行目で指定されている)で保存すれば、最低限の動作はします。

上記の例でわかるように、TeXコマンドは可能な限りHTML形式に変換します。 但し、全てのTeXコマンドのHTML変換をサポートしているわけではありません。 変換できなかったコマンドはTeXコマンドをそのまま用いて ‘{&unknown;}’ といった文字実体参照形式になりますが、ブラウザでは表示できません。 また、一部の文字は ‘&#x2113;’ (‘ℓ’) 等の数値文字参照形式に変換されます。 この表現は全てのwebブラウザで正しく表示されるとは限りませんので注意してください。

テキスト(RTF)リスト

文献リストを書式付きのRTFテキストでコピーします。 HTMLコピー同様、環境設定の一般設定の「文献キーをインデックスにする」がチェックされていないときは、

  1. M. José-Yacamán, M. Miki-Yoshida, L. Rendón and J.G. Santiesteban, APL 62 (1993) 202.
  2. Ed. by D.T.J. Hurle, “Thin Films and Epitaxy”, (Elsevier, Amsterdam, 1994).
  3. A. Ichimiya, in: “The Structure of Surfaces, Vol. III”, Ed. by S.Y. Tong, M.A. van Hove, K. Takayanagi and X.D. Xie, (Springer-Verlag Berlin, Heidelberg, 1991) p. 162.

のようになります。 環境設定の一般設定の「文献キーをインデックスにする」がチェックされているときは、番号の代わりに文献キーが使われます。

ペースト先のアプリケーションが書式を扱えないときは、単純テキストとして書式を無視した形式でペーストされます。 なお、アクセント付き文字などはユニコード文字としてコピーされますので、ユニコード非対応のソフトへペーストした場合にはこれらの文字が化ける可能性があります。 現時点ではアップルのPages (iWork)とマイクロソフトのWord 2004では書式も含めて正常にペーストできることを確認しています。

なお、全てのTeXコマンドのユニコード変換をサポートしているわけではありませんので、変換できなかったコマンドが ‘{&unknown;}’ や ‘&#x2113;’ といったHTML形式で残る場合があります (内部では一旦HTMLに変換してからRTFに変換しているため)。

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