データベース/ライブラリを設定する

本節は以下のトピックで構成されています。

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データベースの設定

データベースの設定はデータベースファイルの最初の @COMMENT ブロックに保存されています。 テキストエディタなどを使うとこれらを直接編集することは可能ですが、不用意な変更はデータベースの破壊につながります。 また、BibCompanion自身でも設定を記憶しているので、直接編集は行わないようにしてください

database

ファイル (変更不可)

データベースファイルのファイル名です。 ファイル名はここでは変更できませんが、Finderから変更することは可能です (データベースを開いているときにはファイル名を変えないでください)。 BibCompanionはファイル名ではなく、データベースの名前を表示します。 従って、ファイル名を変更してもBibCompanion中での表示が変わることはありません。

保存フォルダ (変更不可)

データベースが保存されているフォルダ(データベースフォルダ)です。 保存場所はここでは変更できませんが、Finderから変更することは可能です (データベースを開いているときには保存場所を変えないでください)。

データベースID (変更不可)

各データベースはデータベースIDによって内部的に識別されています。 ファイル名やデータベース名を変更してもこのIDによって同一性が保たれます。 このIDは最初にデータベースを開いたときや新規に作成したときに自動的に割り当てられます。 これは特段の理由がない限り変更してはいけません。 エディタなどでこのIDを変更すると、手動ライブラリがリンク先を探すことができなくなったり、スマートライブラリの検索対象の設定が機能しなくなります。

説明

データベースの説明或いは名前です。 上記で書いたように、BibCompanionはファイル名ではなくこの名前をデータベース名として表示します。 なお、デフォルトではファイル名と同じものが設定されます。

エンコードと行末コード

データベースファイルのテキストエンコーディングと行末コードの設定です。 通常は使用するBibTeXがサポートしているものを指定します。 BibTeXを使わない場合には、多くの場合 [Unicode (UTF-8)] でよいでしょう。 データベース中に指定したエンコードでは表現できない文字が含まれていた場合(例えば、漢字が入力されているのに欧米言語のエンコードを指定した等)、それらの文字は全て ‘?’ に置換されます。 エンコードを日本語に戻しても置換された文字は元に戻りませんのでエンコードの選択には注意してください。

添付ファイル

ここでは詳細表示の「添付」タブにあるファイル添付ファイルボタンにドラッグ&ドロップでファイル(或いはフォルダも可)を登録したときの動作を設定します。 単一のファイルをドロップしたときと、複数のファイルを同時にドロップしたときとでは、動作が若干異なります。

添付ファイルポップアップメニュー

ファイルの処理方法です。 まず、単独のファイルをドロップした場合の動作は以下のようになります。

オリジナルへリンク:
ドロップしたファイルには何もせず、そのファイル自身のパスを ‘file’ フィールドに設定します。
以下のフォルダにファイルをコピー:
ドロップしたファイルを添付フォルダにコピーし、‘file’ フィールドにはコピーへのパスを設定します。
以下のフォルダにファイルを移動:
ドロップしたファイルを添付フォルダに移動し、‘file’ フィールドには移動したファイルのパスを設定します。
以下のフォルダにエイリアスを作成:
ドロップしたファイルのエイリアスを添付フォルダに作成し、‘file’ フィールドには作成したエイリアスのパスを設定します。言うまでもありませんが、エイリアスを作成したときは、元のファイルを移動したり削除してはいけません。

このとき、[文献キーからファイル名を生成] にチェックが入っていると、添付したファイルの名前を文献キーから生成して名前を変更します (生成ルールは下記参照)。

次に、複数のファイルが同時にドロップされた場合です。 このときには、ドロップしたファイル必ずは一つのフォルダにまとめられます。 動作設定メニュー別の動作は以下の通りです。

オリジナルへリンク:
ドロップされたファイルが入っているフォルダにフォルダを作成し、ドロップしたファイルはその中に移動します。 ‘file’ フィールドには作成したフォルダのパスが設定されます。
以下のフォルダにファイルをコピー:
添付フォルダにフォルダを作成し、ドロップしたファイルのコピーをその中に作成します。 ‘file’ フィールドには作成したフォルダのパスが設定されます。
以下のフォルダにファイルを移動:
添付フォルダにフォルダを作成し、ドロップしたファイルをその中に移動します。 ‘file’ フィールドには作成したフォルダのパスが設定されます。
以下のフォルダにエイリアスを作成:
添付フォルダにフォルダを作成し、ドロップしたファイルのエイリアスをその中に作成します。 ‘file’ フィールドには作成したフォルダのパスが設定されます。

この場合、新規作成したフォルダの名前は、常に文献キーから生成した名前が使用されます。

添付フォルダのパス

添付ファイル(或いはエイリアス等)を保存するフォルダです。デフォルトでは

“<データベースフォルダ>/Attachments/”

となっています。

<選択> ボタン

添付フォルダを選択します。 既存のフォルダしか選択できませんので、新規の場合にはあらかじめFinderでフォルダを作成しておいてください。 添付フォルダには任意のフォルダを指定することが可能ですが、データベースフォルダ内に添付フォルダを作成することを勧めます (データベースフォルダの外に添付フォルダを配置すると常にフルパスで記録されるようになり、後述のポータビリティが低下するため)。

文献キーからファイル名を生成

これがチェックされていると、リンクされるファイル(またはフォルダ)の名前を文献キーから自動生成します。 このとき、キー文字列内のコロンやピリオドなどはアンダースコア (‘_’) に置換されます。 また、拡張子はそのまま保存されます。 例えば、文献キーが “NakaharaH:2004” の文献に “downloaded.pdf” というファイルをドロップした場合、リンクされたファイルは “NakaharaH_2004.pdf” という名前になります。 エイリアス作成するときはエイリアスの名前が変更されるだけで、オリジナルはそのままです。 複数ファイルがドロップされたときに作成されるフォルダ名も同じルールに従います (但し、このチェックの状態に依らない)。

常にフルパスを保存

ここがチェックされていると、‘file’ フィールドには常にフルパス(絶対パス)が記録されます (フルパスは常にスラッシュから始まります)。 そうでない場合には可能な限り相対パス(データベースフォルダを基準とした相対位置)が記録されます。

但し、基本的にはフルパスでの保存は勧めません。 相対パスであれば、データベースをデータベースフォルダごと他のフォルダや他のMacintoshにコピーしても正常に動作しますが、フルパスの場合には移動に伴って絶対位置が(ほとんどの場合)変わるため、全てのリンクが切れてしまいます。 相対パスをサポートしない他のソフトとの互換性のためだけに使用してください。

特権ユーザ

特権ユーザとはデータベースに書き込み権限を有するユーザのことです。 特権ユーザを指定しておけば、データベースをファイルサーバで公開しても指定ユーザ以外は書き込みができなくなるので、他のBibCompanionユーザが誤って情報を書き換えるといったことが無くなります。 但し、この仕掛けはきわめて安直な方法で実現されているため、BibCompanion以外のソフトを用いての書き換えを禁止するものではありませんし、特権自体を書き換えることも容易です。 あくまでも信頼できる範囲の共有で誤操作を防ぐためだけのものであることを意識しておいてください。 BibCompanion自体がデータベース共有機能を有しているわけではありません。

特権ユーザ

特権ユーザが設定されている場合、ここには “user@host” と表示されます。

<特権を開放> ボタン

クリックすると既存の特権ユーザ設定を解除します。 特権ユーザが設定されており且つ現在のユーザが特権ユーザの時に限り、このボタンは使用可能になります。

<特権を取得> ボタン

クリックすると、現在のユーザを特権ユーザとして設定することができます。 このボタンは特権ユーザが設定されていないときのみ使用可能です。

警告抑制のチェックボックス

このチェックボックスは特権ユーザが設定されており且つ現在のユーザが権限を有しないときのみ使用可能です。 この条件下ではデータベースを開く度に権限がないため書き込みできない旨を示す警告が表示されます。 ここをチェックすることで、この警告を抑止できます。

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ライブラリグループの設定

ライブラリグループの設定は一種類のみです。

group

説明

グループの説明或いは名前です。

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手動ライブラリの設定

手動ライブラリの設定には2項目があります。

manual

ライブラリID (変更不可)

手動ライブラリもデータベース同様ライブラリIDで識別されています。 したがって、手動ライブラリの名前を変更したり、同一名の手動ライブラリがあっても混同されることはありません。 このIDを変更する手段はありません。

説明

ライブラリの説明或いは名前です。

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スマートライブラリの設定

スマートライブラリの設定には以下の項目があります。

smart

説明

ライブラリの説明或いは名前です。

検索対象

検索対象となるデータベースを指定します。 デフォルトでは「すべてのデータベース」となっています。 メニューから特定のデータベースを指定すると、指定されたデータベースの中のみ検索します。 選択できるデータベースはその時点で開いているデータベースに限られます。 既に選択されているデータベースがその時点で開かれていない場合には、その項目はメニュー中でグレー表示になります (変更しなければ設定は有効です)。

「すべて」/「いずれか」の選択

複数の条件が設定されている場合、「すべて」の条件が一致すべきか、「いずれか」の条件が一致すれば良いのかを指定します。 単独の条件しか設定されていない場合には意味はありません。

更新のタイミング

スマートライブラリの更新タイミングを以下の3つから選択できます。

自動更新:
常にデータベースの変更をモニタし、変更に応じて動的にリストの内容を自動更新します。したがって、リストの内容は常に最新の状態です。デフォルトではこのモードが設定されますが、マシンパワーが不足しているときはデータベースの編集作業に支障を来すことがあるかもしれません。
起動時のみ自動更新:
BibCompanionを起動したときのみ自動的にリスト内容を更新します。以降の変化は反映されません。手動でアップデートするときは、[ファイル - スマートライブラリの更新] 或いは [ファイル - すべてのスマートライブラリの更新] メニューを選択してください。
手動更新:
データベースの変更は自動では反映されません。手動でアップデートするときは、[ファイル - スマートライブラリの更新] 或いは [ファイル - すべてのスマートライブラリの更新] メニューを選択してください。当然ですが、起動直後にはリストの内容は常に空になります。

なお、手動の更新を設定している場合でも、リスト中の文献を含むデータベースを閉じたときは該当する文献はリストから削除されます。

検索条件リスト

リストに登録する文献の検索条件を指定します。 下図はその一例です。

condition

検索対象

検索対象となるフィールドなどを指定します。

[フィールドが]
すべてのフィールドのデータが検索対象となります。
[フィールド名が]
フィールド名そのもの(‘author’ 等)が検索対象になります。これを選択したときは常に大文字小文字は無視されます。
[文献形式が]
文献形式(‘ARTICLE’ 等)が検索対象になります。これを選択したときは常に大文字小文字は無視されます。
[文献キーが]
文献キー(‘NakaharaH:1995’ 等)が検索対象になります。
[著者/編者が]
‘author’ と ‘editor’ フィールドが検索対象になります。このとき、検索文字列に指定する名前(或いはその一部)は著者リストに表示されている形式(‘Nakahara, H’ 等)で記述する必要があります。著者リストではファーストネームは常に省略されるので、ファーストネームでの検索はできません。
[第一著者が]
第一著者(第一編者)のみ検索対象となります。名前の形式は上記と同じです。
[タイトルが]
‘title’ と ‘booktitle’ フィールドが検索対象になります。
[雑誌名等が]
‘journal’, ‘publisher’, ‘organization’, ‘institution’ と ‘school’ フィールドが検索対象になります。
[注釈等が]
‘annote’, ‘note’, ‘memo’ と ‘keywords’ フィールドが検索対象になります。
[発行年が]
‘year’ フィールドが検索対象になります。検索文字列は通常は4桁の数字になります。
[修正日が]
‘modified’ フィールドが検索対象になります。このフィールドは書誌情報が変更されたとき自動的に付与・変更され、最後に編集した日時を保持しています。このフィールドの内容は “2005-03-16 14:13:06” といった形式になっています。
[添付ファイルが]
‘file’ フィールドが検索対象になります。
[文献内容が]
これを選択したときは検索条件は [同一と見なせる] に固定され、他の条件は併用できなくなります。これを選択すると、内容が同一と見なせる(主要なフィールドの内容が一致する)文献をリストアップします。

検索文字列

検索すべき文字列などを設定します。但し、検索文字列としてTeXコマンドを指定しても正しく検索できません。詳細表示で編集がロックされているときの表示(ユニコードに変換された表示)で検索する必要があります。なお、文字列の内容は検索条件に依存しますので下記を参照してください。

検索条件

検索条件を設定します。

[を含む]
検索文字列が一部でも含まれているときは一致したと見なします。
[の単語を含む]
検索文字列が単語として含まれているときのみ一致したと見なします。例えば、検索文字列が “Si” のとき、フィールドに “Si(111)” があれば一致したと見なしますが、“Simulation” には一致しません。また、単語の区切りと判断される文字(括弧や句読点など)を検索文字列に含めると正しい検索ができません。
[を含まない]
[を含む] の否定形です。
[の単語を含まない]
[の単語を含む] の否定形です。
[で始まる]
検索対象が検索文字列で始まっているときのみ一致したと見なします。
[で終わる]
検索対象が検索文字列で終わっているときのみ一致したと見なします。
[と一致する]
検索対象と検索文字列が完全に一致したときのみ一致したと見なします。
[より新しい]/[より古い]
検索対象が [発行年が] か [修正日が] の時のみ使用可能で、検索文字列に指定した数値より新しい/古い場合に一致します。同一の場合は一致とは見なしませんので注意してください (以上/以下ではない)。 検索文字列は検索対象が [発行年が] の場合には4桁の西暦になり、検索対象が [修正日が] の場合には “2005-03-16 14:13:06” のような形式になります。 時間情報まで必要ない場合には “2005-03-16” 等のように後半は省略できます (年-月のみや時間まで指定でも可)。
[日以内]/[日より以前]
検索対象が [修正日が] の時のみ使用可能で、検索文字列には日数を数値で指定します。 “2.5” のような小数値を指定することも可能です。 日数計算には時刻まで考慮していますので、現在時刻が “2005-03-17 14:15:06” だとすると、 “2005-03-16 14:15:05” は1日より以前と判断されます。 なお、この条件を設定したスマートライブラリは定期的にアップデートを行います (手動更新になっている場合を除く)。
[存在する]
検索対象が [添付ファイルが] の時のみ使用可能で、添付ファイルが存在している(リンクが切れていない)文献のみが条件に一致します。 リンクが切れているかどうかに関わらず添付ファイルが設定されている文献だけを抽出したい場合には、[フィールド名が]/file/[と一致する] で検索してください。
[存在しない]
[存在する] の否定形です。但し、添付ファイルが指定されていない文献は検索対象になりません。すなわち、リンクの切れた添付ファイルのみが検索されます。 添付ファイルが指定されていない文献だけを抽出したい場合には、[フィールド名が]/file/[の単語を含まない] で検索してください。
[同一と見なせる]
これは検索対象を [文献内容が] にしたときの唯一の選択肢です。詳細は上記を見てください。

大文字小文字を区別

[CS] (Case Sensitive) のチェックボックスをチェックすると、大文字小文字を区別した検索を行います。検索対象によって例外があるので、上記を参照してください。

削除及び追加ボタン

(–) ボタンを押すと該当する条件が削除されます。但し、最後の一つは削除できません。(+) ボタンを押すと、該当する条件の直下に新規条件が追加されます。最大で16個まで条件を追加できます (検索対象が [文献内容が] の時を除く)。

検索条件の順序

検索条件は上から順に評価されます。 したがって、「すべて」の条件が一致するを選択しているときは、最も条件一致しないであろうと思われるものを先頭に持ってくるほうが効率的に検索できます。一方、「いずれか」の条件を選択しているときは、最も条件一致しやすいと思われるものを先頭に持ってきたほうが効率的です。

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