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ライブラリを使う |
ライブラリとはデータベースのサブセットで、データベース内に入っている文献を分類するために使用します。 ライブラリ内の文献はデータベースにリンクされており(Finderのエイリアスのようなもの)、データベース内の文献と同様に扱えます。 もちろん、ライブラリ内の文献を編集すれば、元のデータベースに反映されます。 一つのライブラリには複数のデータベースの文献を含むことも可能です。 取り扱いの関係でデータベースを分けていても、それらをまとめてライブラリでは管理できます。 但し、ライブラリにのみ属する文献は作成できません。
BibCompanionには手動ライブラリとスマートライブラリの2種類のライブラリがあります。 手動ライブラリはリスト内容をユーザが自由に構成できるライブラリ、スマートライブラリは検索条件を指定して自動的にリストを構成するライブラリです。 また、複数のライブラリをまとめてライブラリグループとして管理することも可能です (Finderのフォルダのようなもの)。
なお、作成できるライブラリやライブラリグループの数はお使いのMacintoshのRAM容量とCPUパワーによってのみ制限されています。
本節は以下のトピックで構成されています。
手動ライブラリのリストはユーザが自由に変更できます。 手動ライブラリを用いると、例えば重要な文献や未読の文献リストを作ったり、現在執筆中の論文で参照している文献のリストなどを保持しておくことができます 文献はデータベースや他のライブラリからコピー&ペーストすることができます。 上記で述べたようにライブラリ中の文献はいずれかのデータベースに属している必要があります。 従って、ライブラリ中にある文献を元のデータベースから削除すると、ライブラリ中の文献も同時に削除されます。
手動ライブラリを作成するには、[ファイル - 手動ライブラリ作成] メニューを選んでください。 ライブラリの設定が開きますので、「説明」の項にライブラリ名を指定してください。 手動ライブラリで指定できるのは名前だけです。 名前は他のライブラリの名前と重複していても問題はありません (使う人が混乱しなければ)。 ライブラリの名前はライブラリをダブルクリック(或いは [ファイル - ライブラリの設定] メニュー)して開く設定ウィンドウでいつでも変更可能です。
手動ライブラリに文献を追加する最も簡単な方法は、データベースや他のライブラリの文献リストから所望の文献を下図のようにドラッグ&ドロップすることです。
もちろん、コピー&ペーストでも同様なことは可能です。 ライブラリ中の文献はデータベースのそれと全く同様に扱うことができ、編集結果は元のデータベースにも反映されます。
ライブラリから文献を削除するには、該当項目を文献リスト中で選択して(複数可)、<delete> キーを押します。 削除して良いかどうかの確認ダイアログで <削除> ボタンをおすと、文献はリストから削除されます。 ライブラリから文献を削除しても、元のデータベースには関係ありません (Finderでエイリアスを消すのと同じ)。
上記で述べたように、データベースから文献を削除すると、ライブラリのリストからも削除されますので注意してください。 また、ライブラリに直接新規文献を作成することはできません。
ライブラリにあるデータベースから文献を追加し、そのデータベースを閉じた場合には、ライブラリ中の文献は元のデータベースにアクセスできなくなります。 このような文献項目をリンク切れ項目と呼びます。 リンク切れ項目はライブラリの文献リスト中で赤文字で表示されます (下図)。
リンク切れ項目の書誌情報は通常通り見ることが可能ですが、編集は許可されません。 また、データ中で使われているマクロは展開されずに表示され、添付ファイルにはアクセスできない等の制限があります。
この状態で、再び元のデータベースを開くとリンクは再びつながり、元通り編集も可能になります。
スマートライブラリはあらかじめ指定した検索条件に従ってデータベースを検索し、条件に一致する項目を自動的にリストアップするライブラリです。 スマートライブラリを使うと、特定のキーワードを含む文献リストを常に保持したり、特定の著者の文献リストをサブセットとして作成することが可能になります。 最近編集した文献のリストや、内容が重複した項目のリスとなどを得ることも可能です。 検索対象のデータベースも必要に応じて指定可能です。
スマートライブラリを作成するには、[ファイル - スマートライブラリ作成] メニューを選んでください。 ライブラリ設定ウィンドウが開き、ライブラリ名や検索条件の入力を求められます。 下図は設定内容の一例です。 下図の例では、“Nakahara:Si” という名前のライブラリは “nakahara” を著者欄に、“Si” という単語をタイトル欄に持つ文献を検索するように指定されています。
上記例では2つの検索条件を組み合わせていますが、最大で16個の条件まで指定可能です。 また、複数の条件は ‘AND’(すべて) 或いは ‘OR’(いずれか) の条件で結合されます。 検索条件の設定方法の詳細はスマートライブラリの設定をご覧ください。
スマートライブラリには更新のタイミングを指定することが可能です。 デフォルトでは「自動更新」になっており、文献を追加したり編集したりすると即座に変更が反映されます。 通常はこの設定が望ましいですが、変更毎に内容のチェックを行うため、お使いのMacintoshの能力によっては負荷が大きくて実用的ではないかもしれません。 このような場合には、「手動」或いは「起動時のみ自動」のタイミングを選んでください。 「起動時のみ自動」の場合はBIbCompanionを起動した直後だけ自動的にデータベース内を検索します。 「手動」はユーザが指示するまでアップデートは行いません (起動直後はリストは常に空です)。 手動でリストをアップデートするには、[ファイル - スマートライブラリの更新/すべてのスマートライブラリの更新] メニューを選んでください。
ライブラリグループを使うと、Finderのフォルダのように、関連するライブラリを一つのグループとして扱うことができます。 一つのグループには手動・スマートライブラリを混在させることも可能です (データベースは入れられません)。 また、グループがグループ含むことも可能です。
ライブラリグループを作成するには [ファイル - ライブラリグループ作成] メニューを選んでください。 手動ライブラリ同様、グループの名前のみ指定可能です。
ライブラリをグループ間で移動するには、下図のようにドラッグしてください。 ライブラリの表示順序も同様にして変更可能です。
データベースリスト中ではグループのアイコンの左側には三角形のマークが表示されます。 このマークをクリックすると、階層下の項目を表示したり、非表示にしたりできます。
データベースリストでライブラリグループを選択した場合には、グループに含まれるライブラリのリストを統合した文献リストを得ることが可能です。 このときの統合はOR条件で行いますので、同一文献が複数のライブラリに入っていても、グループからは一つしか見えません。 従って、データベースリストに表示される項目数(括弧内の数字)は、階層下の項目の合計がグループの項目数と一致するとは限りません。
なお、グループの階層化数の制限はありませんが、実用的にはせいぜい2段程度に留めておいたほうが使いやすいと思います。
スマートライブラリ、手動ライブラリやライブラリグループに登録されている文献リストを、独立したBibTeXデータベースとして書き出すことが可能です。 この機能を使うと、複数のデータベースにまたがったリストを一つの bib ファイルにまとめたり、データベースの提出用サブセットを作ることが可能です。 書き出したいライブラリなどを選択して、[ファイル - ライブラリをデータベースとして保存] メニューを選ぶと、以下のような保存ダイアログが現れます。
名前と保存先のフォルダ指定に加えて、添付ファイルやテキストエンコードなどの選択肢があります。 添付ファイルの選択肢は、「添付しない」か「フルパスでオリジナルへリンク」です。 「添付しない」を選ぶと、添付ファイルのフィールドは全て削除されます。 「フルパスでオリジナルへリンク」を選ぶと、元のデータベースの添付ファイルへのリンクが設定されます。 添付ファイルのコピーセットを独立して作成することはできません。 エンコードと行末コードは適宜必要な設定をしてください。
ライブラリ或いはライブラリグループを削除するには、削除したいライブラリ等を選択して、[ファイル - ライブラリを削除する/グループを削除する] メニューを選択してください。 確認のダイアログが出ますので、<削除> ボタンを押せば、ライブラリはリストから削除されます。 ライブラリグループの場合には、含まれているライブラリも全て同時に削除されます。 ライブラリの削除は取り消しできませんので、注意してください。