データの数値化

キーボードショートカット

ここではプロットの数値化時に使える便利なキーボードショートカットを説明します。 これらの使い方を覚えておくと、数値化作業を効率的に行うことができます。 最初にこのヘルプを読む時はこのセクションは読み飛ばしても構いません。

command + マウスドラッグ
マウスカーソルが手のひらになり、画像を持って動かすようにスクロールすることができます。
command+option + マウスクリック
マウスカーソルがプラスのルーペになり、クリックした位置を中心に一段階拡大します。 但し、最大拡大率 (2倍) 以上にはなりません。
command+option + マウスドラッグ
マウスカーソルがプラスのルーペになり、選択した範囲が全体に表示されるように拡大します。 但し、最大拡大率 (2倍) 以上にはなりません。
command+option+shift + マウスクリック
マウスがマイナスのルーペになり、クリックした位置を中心に一段階縮小します。 但し、最大縮小率 (1/8倍) 以下にはなりません。
command+option+shift + マウスドラッグ
マウスがマイナスのルーペになり、現在の表示範囲が選択した範囲に入るように縮小します。 但し、最大縮小率 (1/8倍) 以下にはなりません。
/ command+1
X/θ軸の値を現在のマウス位置で一時的にロックします。 ロックすると、他方のガイドラインのみが自由に動きます。 ロックした値は、右下のカーソル位置の数値を書き換えることで変更可能です。 ロック解除する時は再び command+1 を実行してください。
/ command+2
Y/R軸の値を現在のマウス位置で一時的にロックします。 ロックすると、他方のガイドラインのみが自由に動きます。 ロックした値は、右下のカーソル位置の数値を書き換えることで変更可能です。 ロック解除する時は再び command+2 を実行してください。

プロットを数値化する (基本操作)

軸の設定が完了したら、一番下のタブで「プロットの数値化」を選択してください。 ウィンドウ下部の表示が以下のように変わり、座標軸の代わりに現在のマウス位置を示すガイドラインが画像上に表示されます (マウスが画像の上にある時のみ)。 マウス位置に対応するデータの座標が下部右側の「カーソル位置」に表示されています。

マウスをプロット点の上でクリックするとその点が読み取られて右側のデータ表に追加されます (上図では表は省略)。 データは最大10系列まで取り込むことが可能で、系列の指定は左下のデータ系列メニューで行います (必ずしも系列順に取り込まなくても構いませんが、データ点のない系列はテキスト保存やコピーする時に無視されます)。 一つの系列に追加できるデータ点数は事実上無制限です。 「X/θの値で自動ソート」にチェックしてあれば、データを追加した順番に関係なくソートされたデータ列が得られます。 マーカーの形や色は系列ごとに異なりますが、これらは後述する環境設定で変更可能です。 マーカー表示は「マーカーのみ」、「マーカーと線」、「線のみ」から選択することが可能で、線を選択すれば隣接するマーカーを線で結びます。

右軸と左軸で異なる値を持つグラフの場合には、一つの系列を取り込んだ後に座標軸の設定を再度行って他方の系列を取り込むことも可能です。 PDFファイルのように一つのページに複数のグラフを含む場合も同様です。 各系列は独自に座標情報を保持しているため互いに干渉することはありませんが、一つの系列に異なる座標設定のデータを混在させることはできません。

データの取り込み作業では「編集 - 取り消し」や「編集 - やり直し」メニューが有効です。 取り消し作業はメモリの許す限り前の状態まで戻ることができます。 ただし、軸設定モードに入った場合には取り消しはできなくなります。

データ表の系列を選択してデータを一括削除することが可能です。 データ表は系列単位でしか選択できませんので、一部の行だけを削除することはできません。

データの保存と共有

「ファイル - 保存」メニューで書類を通常どおり保存すると、.plotdig の拡張子の付いた PlotDigitizer X 書類ができます。 これは数値化したデータはもちろん、画像データや座標設定情報などすべての情報を含む書類で、PlotDigitizer X の独自フォーマットです。 作業を一時中断して再開したい時など、この形式で保存しておくと再利用が可能です。

数値化したデータ点が存在する時は「ファイル - 数値データをテキスト保存」メニューでデータをタブ区切りテキストとして書き出すことが可能です。 このデータはMS Excelなど一般の表計算、グラフソフトで読み込み可能な形式で汎用性があります。 データ表から一部の系列だけを選択して「ファイル - 選択したデータをテキスト保存」とすることも可能です。 データの選択は系列単位でしか行えませんので、特定の行のデータだけを書き出すことはできません。

最も容易なデータ共有方法は、データ表で系列を選択してコピー・ペーストすることです (系列が選択されていないとコピーできません)。 テキスト書き出し時と同様に表計算ソフトなどへ直接データを貼り付けることが可能です。

保存したテキストファイル或いはコピーしたテキストの先頭の行には "Series_01_x" のような各列のタイトルが入っています。 グラフソフトにコピーする時などタイトル行が邪魔であれば後述する環境設定でタイトル行を付けないようにすることも可能です。

X/θ軸の自動設定

曲線などのグラフをトレースするときは「X/θ軸の自動設定」を使うと便利です。 メニューから「等間隔のX/θ値」を選んで初期値と差分を入力すると、現在取り込もうとしているデータの行番号に応じてX/θ軸が固定され、他方の軸のガイドのみが自由に動くようになります。 本ソフトは自動トレースを行うことはできませんが、本機能で手動トレースの労力が大幅に軽減できます。 下図は極座標系で0°から5°毎にR値を読み込むように設定した場合の一例です。 なお、取り込み途中に設定を行った場合には設定後のデータに対してのみ機能し、既に取り込んだデータには影響を与えません。 この場合、既に4行目まで取り込まれていた場合には (初期値+4×差分) が最初の値になります。

複数の系列を持つグラフの中にはX/θ軸を共有しているケースが少なくありません。 このようなときは、「系列1と同じX/θ値」の機能が役に立ちます。 まず、このメニューを選択して系列1のデータを通常どおり取り込みます (取り込んでから選択しても構いません)。 次に2以上の系列を選択すると、現在取り込もうとしているデータの行番号に対応してX/θ軸が固定され、他方の軸のガイドのみが自由に動くようになります。 下図はこのようにして3つの系列を取り込んでいる時の一例です。 なお、系列1のデータ点数以上のデータを取り込もうとした時はX/θ軸は座標軸設定で入力した最小値に固定されます。 この設定で取り込みを行った後に設定を解除して同じ系列にデータを追加することは可能です。 また、系列2以上を取り込み途中に設定を行った場合には設定後のデータに対してのみ機能し、既に取り込んだデータには影響を与えません。

軸の一時固定

データ点が明らかに同一のX或いはY座標で分布している場合には、一方の軸を手動で固定して取り込みを行うことが可能です。 「カーソル位置」の数値の右にある鍵のアイコンをクリックすると、該当する軸が固定されます。 固定する値は数値を直接書き換えることで指定可能です。 数値が明らかな場合にはこの方法で構いませんが、ほとんどの場合はそうではありません。 このようなときはこのトピックの最初のセクションで述べたキーボードショートカット (command+1/2) が便利です。

グラフデータ以外への応用

本ソフトはグラフの座標値を読み取ることを目的としたものですが、下図のように写真などの実験データの座標位置を読むためにも使用可能です。 このような作業の時は座標軸設定で最小・最大値をピクセル単位で指定する必要があります。 直交座標で読む時は軸の設定で述べたように「画像の全領域」に座標設定を行うのが最も便利ですが、極座標の場合には後述の情報パネルの情報を元にして座標の設定を行うと良いでしょう。

情報パネル

情報パネルを用いるとメインのウィンドウでは表示されない情報を得ることが可能です。 情報ウィンドウは現在最も前面に出ている書類の情報を表示しています。 以下は平行四辺形座標の場合の情報ウィンドウの一例です。 情報ウィンドウには画像サイズの他、設定した座標軸のアンカー位置、アンカー間の距離、現在取り込みを行っている系列と行番号、データが取り込まれている系列の数と最大行数が表示されます。

極座標の場合は下図のようになります。 ほぼ同様の内容ですが、アンカー間距離の代わりに半径と基準線の傾斜 (水平右方向を0°とする) が表示されます。

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